前回、株やFX、投資信託なんかは、「将来対策」にはならないと書きました。
皆さんの中で、「将来対策」ってどういう意味合いのものでしょうか。
退職までにまとまったお金を作ること?
死ぬまでずーっと入ってくる収入のこと?
それによって、オススメする商品が変わってきます。
が、結論から言うと、私は「まとまったお金を作る」だけではオススメしません。
なんでかというと、
いつ死ぬ(寿命を迎える)かも分からないのに、
貯めたお金をどうやって切り崩すんだって話だからです。
例えば
55歳の時点で、退職金で5000万、貯蓄で5000万、合計1億円あるAさんがいるとします。
設定は・・・そうですね。
「年収1200万、妻、子(社会人、大学生の二人)、住宅・車ローン支払い済」
みたいな、一般的なというか、多くの方の理想かな〜というもので考えていこうかなと。
おそらく退職金5000万って言ったら、
早期退職だとしても、大手企業で部長さんクラスの方でも結構ありえないんじゃないかと。
(退職金のリアルな現状がわからないので、知っている方は是非教えて下さい。)
Aさんの場合、住宅も車も完済していますし、
子供のうち一人は既に社会人なので、大きな出費は、あとは大学生の子供の学費くらいです。
・・・本当にそうでしょうか?
まず、
毎年必ずかかるもの(一部例外あり)
①住民税
②家の固定資産税
③家や車の維持費(エアコン壊れた、冷蔵庫買い替え、ガソリン代など)
④生活費(食費、光熱費、娯楽費、通信費など)
⑤保険料
このくらいでしょうか。
これから支払いが必要になる可能性のあるもの
①医療費(自分、妻)
②介護費(両親、妻の両親)
③子供の結婚費用、孫の養育費
④葬式代(自分、妻、両親のもあるかも)
⑤交通費(もう定期代は会社から出ません)
ざっくりこんなものでしょうか。
よく、「老後はお金使わないから心配ないよ〜」なんていう人がいます。
何も考えてなさすぎ。
下手したら老後の方がお金がかかると言われています。
病気やケガになるリスクはもちろん上がりますし、
自分の親が寝たきりになったら、自分で面倒を見るか、施設に入れるか、
何かしらの措置を取らないといけません。
ちなみに施設はメチャクチャ高いそうです。
ピンキリですが、大体5〜40万円かかるとか。
住宅ローン支払い終わったのに、結局こういう費用がかかる可能性があるんです。
あくまでも可能性なので、絶対とは言い切れませんが、
こういったことを想定し、皆さんの生活を見直すキッカケになればいいなと思います。
で、④葬式代。
葬式代、一体どれくらいかかるかってご存知ですか?
私は最初、燃やして埋めるだけだし(失礼)、数十万やろ〜なんて思ってたんですが、
相場は200万前後(全国平均は189万円)だそうです。意外に高いと思っちゃった。
あと意外なのが⑤交通費。
私の祖父母も毎週のように病院に行っていますが、その時の交通費はもちろん実費です。
タクシーを使う頻度も上がるかもしれません。
(バスだと無料で乗れたりもするらしいですが)
で、なんか悲しい現実をつらつらと書いてしまいましたが、
もうちょっと夢のある楽しい話をしましょう。
「老後!もう朝〜晩まで働かなくてもいい!時間がたっぷりある!」
せっかくだから、今まであんまり行けなかったし、海外旅行でも行こうか。
地中海クルージングなんてどう?
夫婦二人でゆっくり国内温泉巡りもいいなぁ〜。
なんて思ってる方、結構いらっしゃると思います。
素敵ですね。奥様(旦那様)を大事にされてらっしゃる。理想だわ。
実際、60歳を過ぎてもアルバイトなどで働いている方もいますが、
おそらく年収1200万、貯蓄が1億円あれば、働かない選択肢を取る方もいると思うので、
Aさんの場合は働かないバージョンでシミュレーションしてみます。
海外旅行に行った場合、安くても二人で30万円はあっさりなくなるでしょう。
国内旅行でも10万円はくだらないかと。どんだけケチな夫やねん、てなりそう。
で、時間がたっぷりあるもんだから、こうして暇潰しをするのにお金を使うわけです。
年収1000万超えてたら、ゴルフとか好きそうですね〜。
まぁそうすると、知らぬ間に今までよりもお金使っちゃってた!なんてこともあるんです。
(暇な時はゲートボールをオススメします。)
夢のある話が、悲しい現実に引き戻されちゃうわけです。
細かい話をすると、年収1200万だと、実際の手取りは約半分の650〜750万くらいなんです。
月にすると大体50〜60万円。控除とか、条件にもよるから大体ね。
Aさんはローンを払いつつもちゃんと貯蓄をしていたから、
毎月30万円くらいの支出だったと仮定しましょう。
(新卒22歳で就職して、55歳までの33年間で5000万貯蓄➡︎毎年約150万、月約12万円の貯蓄)
家にいてもテレビをずっと見ていれば光熱費がかかります。
ゴルフに行く回数が増えたら支出はもっと増えます。
仮に月40万円、年間480万円の支出になったとすると、一億円がなくなるスピードは、
100,000,000 ÷ 4,800,000 = 20.8年
55歳〜で計算をすると、75.8歳。
・・・
・・・ん?
ちょっと寿命にかけるくらい?
いやいや、男よりも寿命の長い女が側におるやんか。(何)
旦那に使い切って先立たれたら、奥さんどないすんねん。て話よ。
ましてや最初の方に書いたでしょ。
これからかかってくる可能性のある医療費とか葬式代とか。
可愛い孫にもお小遣いあげたいでしょう。
それを考慮しないでこの年齢よ?
年金も考慮してないけどね。(爆)
年金が毎月30万入ってきたら、
おそらく貯蓄の1億円はほとんど手をつけなくても暮らせるかもしれません。Aさんの場合は。
でもそれは、老後も特に贅沢をせず、大人しーく生活してた場合。
働いている時からコツコツ貯金をして、ガッツリ退職金もらえたらの話。
そして、インフレ(物価上昇)を考慮しなかったらの話。
生きている以上、リスクはいくらでもあるからね。
突然交通事故に遭って、死ぬかもしれない。
だから皆、保険に入るんでしょう?
じゃあ、長生きした時のために「保険」かけてますか?
死ぬ時のための保険は入るのに、
自分が長生きしちゃって100歳、120歳まで生きた時の保険は考えないの?
「子供に面倒を見てもらう」のもある種の保険かもしれませんが。笑
でも、その子供が先立ってしまう可能性もゼロじゃない。
だったら自分自身で生きて行く方法を身につけたくないですか?
とまぁ、途中から自分でも書きたいことがありすぎて、
伝えたいことがイマイチよく分からなくなってきちゃいましたが。
とにかく、今考えている老後と、実際にくる老後は違う可能性の方が高いってこと。
優秀なAさんでこのシミュレーションなので、
貯金がない方、退職金が少ない方(これからもっと減るでしょう)、
色んな方がいるかと思いますが、もっと自分事として捉えていくことをお勧めします。
かくいう私も貯金ゼロ。
ハハハハハ。
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